境界性と依存 696
2日
起きてすぐにマキさんにLINEを送る
返事は来るが気の無いものだとわかる
私は昼時間を利用してアパートに行った。
マキさんは顔色も悪く、目の下のクマは酷かった。
私「マキさん、眠れなかったんか?お母さんから何か言われたんか?」
マキさん「ううん‥何も。会ってないしLINEきただけ」
私「昼メシ行こう。ピノ子が腹ペコだよ」
近くの回転寿司に行った。
私が頼んだ物を一緒に食べるのが定番。
だから赤身、白身、青魚、万遍なく注文した。
マキさんは残さず食べてくれた。
少し笑顔もあるが色白を通り過ぎて透き通るような顔色。
アパートに戻り、横にならせた。
マキさんはまた求めてくる‥。
私「マキさん、仕事中なんだよ。お盆休みにゆっくり民宿行こう!高い所は行けないけどピノ子に穏やかな気持ちで成長してもらうの」
マキさん「マコちゃんダメなん?」
その時、玄関をノックする音が聞こえた。
マキさん「お母さんだ‥」
緊張が走る‥
母親が入ってくる。私はお辞儀するので精一杯。
母親「娘を助けてくれているのに今まですみませんでした」
また否定されると思い身構えていた私は頭が真っ白になった。
私「いいえ、秘密にしていたんですから母親としたら当然のことだと思います。それに責任は私にあるんですから‥」
マキさん「お母さんゴメンなさい」
母親「済んだことはもういい‥。あんた、ちゃんと育てていけるんやね?」
マキさん「うん」
母親「この子はいつも1人で溜め込んで頑張ってしまうんです。ちゃんと自己主張しない‥。私も娘の昔の病気が振り返すのではないか?って不安であんまり聞かないから‥」
「昔の病気」
恐らく心の病だ。睡眠薬を飲んでいたから。
私「私にもそうです。だから心配になって‥。昨夜も不安定だったんです。だから仕事中なんですけど様子を見に来ました」
母親「本当にすみません。会社まで巻き込んで‥」
私「会社は‥自分でなんとかします‥。マキさんを責めないで下さい。もう辞めて反省してますんで。マキさんにも「お母さんはマキさんが大切だからの行動だからケンカするな」っていつも言ってました」
母親「ケンカにもならないんです。いつも1人で決めてしまうから‥」
マキさんは黙って泣いている。
母親「今さらで申し訳ないんですけど‥。私達は団地を出て何処か部屋数のある所に引っ越します。アパート借りるなら近くでお願いします。場所はまだ決められてません。なかなかいい所が無くて‥。マキを家に入れようとも思いましたけど、それではマコさん(実際は名字)が辛いですよね」
私「私は何を言われても近くに借りるつもりでした。本音は両親の元に帰って欲しいとも思います。1人でいるのはやっぱり心配なんで‥」
母親「マキをお願いします。支えて下さい。今日はこれで帰ります」
私「本当にすみません」
母親「マキ!これからは1人で何でも決めないでちゃんと話して」
マキさんは泣いているだけ。
私「大丈夫です」
母親は帰って行った。
私「マキさん大丈夫か?」
マキさんは私にしがみついて泣いた。
私「マキさん、もう大丈夫やろ?強くなるんだよ。ピノ子が聞いてるよ」
マキさんは頷いた。
でもマキさんの闇は深い。そんな簡単には変われない。