私は自宅に着いても無事に帰った事をLINEしなかった。最後の会話で彼女がどう思ったか怖かったから。しばらくするとLINEが入ってきた。「マコさんありがとう」「お母さんにピアス見つかっちゃった(*´∇｀*)かわいいー上品ーってまじまじ見とった」何に対して…

皆少なからず失恋の経験はあるだろう。私もある。離婚は失恋に入るのかわからない。離婚調停中の周りからのデマや風評で私は二度と結婚しないと思っていた。女性から誘って貰ったことも少しはある。でも2人で会うのは断わってきた。感情が入るのが怖かったか…

家に着いたのはちょうど6時頃だった。彼女はもう少しだけ一緒に居ようと言う。近くのショッピングモールに車を停めて話した。さすがに「堕ちる」で凹んでいた私は「友ちゃんは俺のこと好きだったのではないね。Nさんには卒業出来なかったことを打ち明けて優…

道中、彼女にこれをきっかけにNさんを忘れないとお互いに不幸なんだという事、関わらないでと言われてるんだから友ちゃんから連絡したりしてはいけないと諭すように話した。だが彼女は一度会って引っ叩きたいだの、彼女にも会ってNさんは最低な人だと伝えた…

彼女はプレゼントしたピアスを着けてきてくれた。見えるように髪をあげてくれていた。ちょっと照れくさかった。喫茶店でも行こうと移動中「どうしようかと思ったけどマコさんに会う方を選んじゃった」と彼女は言った。「ふーん、一応会う方の気持ちが勝って…

数日後、私は仕事絡みで彼女の地元に行かなければならなかった。憂鬱で仕方ない。彼女に出会ってからは会いに行くのは全然苦にならなかったが、今は凄く遠く感じる。会えるわけでもない。今回の行き先が彼女の家の近くなのが余計に気を重くさせた。準備して…

振り返る。彼女はNさんの所に帰るだろう。私は彼女が誰にも言えずに苦しみながら風俗店にいる時にたまたま出会った。欲望渦巻く世界で必死に自分を守っていた彼女は私にNさんを重ねただけなのだと思う。彼女の「マコさん好き」は私にではなかったのだと今は…

もう満足だった。それよりも私は友ちゃんを裏切った。自分が嫌いになる。眠くなってきた。彼女と付き合い始めて睡眠時間は激減した。最後に最高の笑顔と涙を見たから私は糸が切れた。ゴメンな友ちゃん。友ちゃん治してあげたかった。でも時間がない。最後に…