境界性と依存 645
23日
私は県外での仕事で走り回っていた。
マキさんは母親と買い物に行っていた。
仕事を終えてアパートに行くとマキさんの態度に違和感を覚えた。
私「マキさん泣いたんか?どうした?」
マキさん「ううん、何もない」
何度か尋ねたが答えは同じ‥。
私「マキさん、何で隠すんや?ちゃんと言いなよ」
マキさんはポロポロ涙を流した。
マキさん「お母ちゃんにピノ子のこと言ったの」
私「そっか、言えたんか」
マキさん「やっぱり‥。って。結婚するんか?って」
マキさん「しばらくはしないかなって言ったら」
お母ちゃん「あんた遊ばれとるだけやろ?別れなさい」って。
私「やっぱりそうなるわな‥」
マキさんはジッと私を見つめたまま話さなくなった。
私「お母さんの言ってるのは正しいよ。普通はそう言うやろうから」
マキさんは無言で涙を拭いていた。
私「全てが遅すぎたんだね‥ゴメンなマキさん辛かったな」
マキさんは首を横に振っていた。
私は何を話せばいいのかわからなくなった。
二人で横になっている内に1時間くらい寝てしまった。
目覚めるとマキさんも眠っている。
泊まろうかと思ったが気持ちが堕ちていたので帰ることにした。
帰りの運転中、マキさんの眼差しを思い出す。
あれは、あのジッと見つめる目は‥。