境界性と依存 546
土曜日
出勤前に母の病院に寄りたかった私は早起きしてシャワーを浴びた。
トイレで用をたそうとした時、異様な違和感。
考えすぎかと思ったが、明らかにムズムズする。
「今になってかよ」
潜伏期間が終わり症状が出てきたのだろう。
痛みはない。
波はあるがムズムズする。
私はマキさんからもらった薬を飲んだ。
病院に行くと母は私の話がわからなくなっていた。
こうやって私のことも忘れていくんだな‥。
泣きながら出勤し、笑顔で接客した。
酷く疲れる‥。
私のチームの売り上げが伸びないまま夜を迎えた。
後輩Yが納期確認の電話をしている時に突然、
上司「誠、電話切らせろ」
私「はい?ミーティングですか?」
Yはまだ電話中
上司「そんな電話後からにしろって言ってるだろ!早く切れ!」
Yが雰囲気に気づいて電話を切った。
上司「お前ら今日の本部報告どうするつもりや!今日1日120%の仕事した奴は手を挙げろ!事務所の空気が盛り上がらないのは何故や!」
私は手を挙げたが他は誰も手を挙げなかった。
というより挙げられないのだろう。
上司「誠!お前がマネージャーの自覚を持っていながら今手を挙げたなら意識が低過ぎる。もっと意識高くしろ」
私「そうかもしれませんが、この事務所には好きな意見が言える雰囲気なんてありませんよ」
上司「またみんなシラけてるって言うのか?言いたいことあるなら言え!」
私「まあ、時間をあらためて話します」
上司「言えよ」
私「いいえ、若い奴もいるので影響ありますから」
平行線‥。
上司は気が済んだのか
「俺が嫌いなら嫌いでいい。でも俺はお前らを見捨てたりしんぞ。お前らのためを思って敢えて嫌なこと言ってるからな」云々
ヤクザが女に使うやり口と同じだと思った。
長いミーティング?が終わり私は早々に会社を出た。
Yから電話が入る
Y「マコっさん、もうあの人終わってますわ。納期確認してて何故あんなにキレられるのか理解不能ですわ。マコっさんもあんな人に意見しても無駄ですよ。良く我慢しましたね」
私「お前ら居なかったらとっくに辞めてるよ」
疲れた‥
マキさんのアパートで夕食を摂り、記憶が無くなった。
目覚めると深夜2時
マキさんは隣で寝ている。
朝、母の病院に行かなくては‥
マキさんの頭を撫でてアパートを後にした。