境界性と依存 681
帰り道、私はいつもと違う道を走った。
マキさんからLINEがくる
マキさん「気をつけて帰ってね」
私「お母さんに何も言われなかったか?」
マキさん「常務さんから電話があったって。内容は聞いてない」
私「えっ⁈今電話出来る?」
マキさん「出来るよ、アパート帰って来たから」
電話をかける
私「何で帰ってきたの?」
マキさん「マコちゃんに何言われたか聞かれたから「もう放って置いて」って言ったらキレて出て行ったから帰ってきたの」
私「そうか、何で常務から連絡あったんやろ?俺に隠れて動く人じゃないのに」
マキさん「お母さんは「私からかけたんじゃないからね」って言ってたけど‥」
もう何も信じられない。
明日常務に電話してみよう‥。
不安で眠れなかった。
吐き気と下痢。
食べてないから胃液しかでない。
空が薄っすら明るくなってきた頃、シャワーん浴びて海岸沿いのいつもの場所に行った。
早起きの釣り人が数人キス釣りをしているのを眺めながらタバコを吸って眺めていた。
仕事の時間になり常務に電話する。
私「向こうの母親に連絡されたと聞きました。どういうことですか?」
常務「は?そんな話知らないぞ。大体、名前も電話番号すら知らない。お前が自分で解決するって言ったから関わる気はないよ。キャバで知り合ったって母親に言ったんか?」
私「やっぱり常務がキャバって言ったんですね。母親に聞かれたらしいですけど本人は否定したそうです」
常務「は?何で否定するんや?お前が悪者になるだけやぞ」
私は大まかに流れを話した。
常務「デリヘルか‥。俺はてっきりキャバだと思ったから藤元に話したんや」
私「やっぱりそうでしたか」
常務「マコト、DNA鑑定しろ!出会いもキャバにしといてやれ。さすがにデリヘルは母親にはキツイやろ」
私「私は全て話そうと思ってます。今夜また会うんです」
常務「その子は大丈夫なんか?」
私「わかりません。でもあの母親は自分が被害者になってしまったんです。DNA鑑定しても誰も救われませんよ今さら」
電話を切りマキさんに経緯を知らせた。
マキさん「常務さんに謝りたい‥」
仕事の予定が詰まっていた私は走り回った。
仕事を終えてアパートに向かう。
約束は20時。
着いたのは19時半だった。
マキさん「ゴメン、マコちゃん、お母さん来ないって。お父さんから言われた」
私「どうして?」
マキさん「お父さんと御飯食べに行ったの。そしたら血圧上がるから行かないって」
私「そうか、早めに終わらせたいけど仕方ないな。お父さんは?」
マキさん「お父さんに言ったの。マコちゃんとは結婚しないけど認知もピノ子も一緒に育ててくれる人だって。そしたら「よかったな。2人で話し合いしてるんならそれでいい。お母さんが1人で騒いでも意味ないのにな」って」
私「そうか。マキさん気持ち大丈夫か?」
マキさん「うん、ピノ子がね、マコちゃんと話してるとお腹蹴るのに、お母さんだと動かないの笑」
お腹に手をあてて「ピノ子!」
確かにポコポコ動いている。
ピノ子‥。今までのキツイ話をどう聞いてるんだ?
ゴメンな。耳を塞いで聞かないようにするんだ。
次からはママと一緒に離れてるんだよ。