境界性と依存 659
母親が従兄弟を連れてきた。
従兄弟「話は聞いたけどあんた今後どうするつもりなんや?」
歯切れの良い話し方は嫌いではない。
私「今は難しいですがしっかり考えて一緒になりたいと思います」
私は金銭的な話をした。
従兄弟からは家族構成や出身、勤務先を聞かれた。警察出身だけあり取り調べを受けているようだった。
従兄弟「今時、〇〇にずっと勤め続けてか?みんな続かんだろ?」
私「皆辞めますね。キツイですから」
従兄弟「勤め続けてるのは私ら身内にしたら安心できる要素やな」
母親「もっと早くわかればおろしたのに。マキ、あんたこんな人でいいんか?苦労するの目に見えてるんよ」
マキさんは苦笑いしている。
従兄弟「マキ、お前どうなんや?」
マキさん「うーん、生活できるかな(笑)」
母親「完全に貧乏クジやがいね」
マキさん「うーん(笑)ウチは一緒にいたいなぁ、って」
母親「なんでや?」
従兄弟「まあまあ。本人次第やからな。でも産まれるのは間違いないんだからもっとマシなアパートに済ませてやってくれ。マキは働けないんだから」
私だってそうしたい‥
でもそんな余裕はないと伝える。
従兄弟「両親と姉と相談して教えてくれるか?いつまでに教えてくれる?」
私「いつまでに?日付を決めるんですか?そんなにすぐに結論なんて出せません。全てが不安定なんですから」
従兄弟「こういう話は日を決めないと進まないから」
私「母が来週木曜日には一時退院なので金曜日には話しようと思いますが体調次第です」
従兄弟「じゃあ、土曜日には報告してもらえるんやな。とりあえず今日はそんなもんやろう」
母親「マキ、あんた本当に自分から貧乏になりに行くもんなんやよ」
マキさんは笑いながら「そうやな〜(笑)」
3人がアパートから出て行った。
私は見送りをしなかった。する気にならなかった。
マキさんの事を思っての話だから針のムシロになるのは覚悟していた。
私にだって言い分はあるがマキさんの本当の姿を言うわけにはいかない‥。
放心状態と苛立ち‥。
マキさんが見送りから戻ってきた。
マキさん「マコちゃんお疲れさま。大変だよね」
私「マキさんは本当に「良い子」なんやね」
マキさん「そう、弟は内弁慶だけどウチは逆なの(笑)」
マキさんは私の手を握り擦り寄ってくる。
私は跳ね除ける力も無く、されるままだった。