境界性と依存 602
マキさんがアパートに戻ってきた時にはもう21時を過ぎていた。
いつになく饒舌なマキさん。
私「マキさん、「ほし」に本当に心当たりないか?別れ方おかしかった奴とか」
マキさん「ううん、いない」
私「金曜日までLINE来てたんだよ」
マキさん「そうなんや‥」
私はマキさんが「暇つぶし」で店外していたというのを信じていない。
携帯にホテルで写したツーショット写真があったから‥。
金銭での関係だけの人に本名のわかるLINEや写真を残すだろうか?
私の感覚ではあり得ないのだ。
これだけ出会い系で会った女の子や風俗嬢が騙されたり殺されたりという事件が報道される時代なのに簡単に行ってしまう感覚‥。
治さなければ‥。
そんな話を聞かせている間にマキさんは寝てしまった。
頭を撫でながら寝顔を見て泣いた。
まだ幼さが残る。
両手をバンザイするようにして寝る癖。
手を布団に入れ直してからアパートを後にする日を何日過ごしただろう。