境界性と依存 429
突然だった。
痛っ!
何処かわからないが突然の痛み。
マキさんが首に噛み付いた。
「イタタタ!マキさん!」
マキさん「‥‥‥‥」
引き離して首を触ると少し血が出ていた。
「マキさん、どうしたんや?」
マキさん「うううう‥マコさん」
私は痛みを忘れた。
どれだけこの子の泣き顔を見ただろう‥。
私も何度泣き顔をこの子に見せただろう。
「マコさんにウチの跡つけたかってん。ゴメンなさい」
私「・・・・・・・気が済むんか?」
マキさん「ううん‥ゴメンなさい」
もうどうしようもない‥。
助けられないんだ‥。
頭に元嫁、突然消えた子、友ちゃんが流れて消えていった。
なんだった?
片目が見えない。コンタクトがないから?
違うな。逆の目だ。
マキさん「マコさん?」
気がついたらマキさんの車の助手席だった。
「ん?マキさんどこや?」
マキさん「マコさんわかる?もうすぐ病院やよ!」
私「なんで?」
私は意味のわからないことを話して座り込んで「母さんゴメン、母さんゴメン」と繰り返していたらしい。そしてマキさんに支えられて自分の足で車に乗った。
記憶がない。
「マキさん、大丈夫や。帰ろう」
マキさんは反対したが無理矢理家に帰った。
布団に入りマキさんは隣で寝てくれた。