境界性と依存 677
22日
マキさんは実家に泊まるというので仕事を終えてまっすぐ帰った。
母はいつもの昔話と若い頃のオヤジの暴力の話を私に聞かせた。
私「母さん、その話、何度も聞いたよ」
いつもこんな会話だ。
私はマキさんとの話をしないことにした。
母が余計なことで悩む姿を見たら私自身が壊れそうだから。
翌日、会社の事務所に常務が視察に来た。
タバコを吸う場所で2人きりになった時。
常務「お前、プライベートで問題抱えてないか?」
私「何の事ですか?」
常務「お前だからはっきり言うけど〇〇店の藤元から報告があったぞ。お前が22歳のお客さんを騙して妊娠させたって」
私はすぐにピンときた。
マキさんの母親がいろいろな人に私のことを話してるのを聞いていたから。
藤元さんは以前一緒に仕事をしたことがある人。
マキさんの母親の友人のご主人が藤元さんの同級生らしい。
そこから情報が流れたらしい。
私「常務、妊娠してるのは本当ですが、お客さんではありません。私はお客さんとそんなことしないのは常務が一番ご存知でしょう?」
常務「じゃあ何なんや?」
私「あるお店で知り合いました。何を騙したのか教えて欲しいです」
常務「お前、この前お母さん入院したりしてたやろ?生活できるんか?結婚する気か?」
私「わかりません‥」
常務「その母親が俺にも会わせろって言ってるらしい」
私「マジですか‥。ご迷惑をおかけしてすみません。でも私が解決しますんで断わって下さい」
常務「じゃあ、何かあったら報告しろよ。専務にまで話が伝わったらお前終わりやぞ」
私「わかりました」
常務は私が結婚した時の仲人だ。
マキさんに連絡する
マキさん「マジ?お母さん何でそんなことするんやろ‥。関係ない人巻き込んで‥。マコちゃんゴメンね」
まさか常務にまで‥。
さすがに堪えた。
お客さんを騙した‥。なぜそんな話になるのか‥。