境界性と依存 647
お母さんは疲れた様子で「今日はこれくらいで‥。旦那にも会う機会作って下さいね」
私「もちろんです」
お母さんを見送り、タバコに火をつけた。
マキさんは泣いたままだ。
私「マキさん大丈夫?お父さん電話でなんて?」
マキさん「二人で話し合って決めなさいって」
マキさんはずっと泣いていた。
私「マキさん、ピノ子の為に強くなるんやろ?」
マキさんは頷いたが泣いたままだ。
マキさんはきっとご両親と私が面会しても泣いたままだろうと思った。
私「病院は順調って言われたんやろ?」
マキさん「うん、看護師さんに彼に逃げられなくて良かったねって言われた」
私「なんで俺が逃げる話になるんだよ」
マキさん「結構いるらしいよ、妊娠したらトンズラする人」
私「どこに行っても俺が悪者やな‥」
私は突然のお母さんとの面会で酷く疲れたが会社に戻った。
仕事を終えてアパートに戻るとマキさんは普通に戻っていた。
私「実家で御飯食べたんやろ?お母さん大丈夫やったか?」
マキさん「うん、他の婦人科なら中絶出来たかもかもしれないのに‥って言われた。」
私「そうか‥。どこで俺と出会ったとか聞かれなかった?」
マキさん「聞かれなかったよ、事故の時にはもう付き合ってたの?って言われただけ。弟が受験だから大変やって‥」
私は四方塞がれた気持ちになった。