境界性と依存 620
23日
母は案の定、病院を嫌がった。
私「母さん、頼むよ頼むよ‥。俺だって辛いんだよ‥」
母「じゃあ行かんとこう。私が病院電話しとくし」
私「駄目やって!別にまた入院するんじゃないんやから」
母「あんた会社の貯金解約したやろ?この前銀行から通知来てるの見たんや」
私「は?勝手に人の郵便物開けるなよ」
ほとんど強引に母を車に乗せて病院へ向かった。
母「あんたお金ないんやろ‥」
私「そんなこと気にしなくていいの」
母「私にいくら使ったんや?」
私「生命保険の入院日数の上限が来たんや。だからこれからお金かかるんよ。だから解約したんよ。腸の手術したら今までと違う部位だから保険も出るし母さんも楽になるし」
母は鼻を赤くして泣くのを耐えているように見えた。
母を病院に置いて私はアパートへ向かう。
夕方姉が母を迎えに行ってくれる。
このままでは‥。
アパートではマキさんが朝ごはんを用意してくれていた。
必死に泣きたい気持ちを抑えた。
私「ドライブ行こう。明日休むしずっと一緒にいよう」
マキさん「うん!ありがとう」
マキさんは求めてきたが私は「遠く行くから後にしよう」
マキさん「えへへ、マコちゃんかわいい、遠足行くみたい」
片道3時間弱のリアス式海岸の遊覧船に乗りに行こうと思った。
手を繋ぎながら高速を走る。
私が一番癒される時間だ。
遊覧船のある国定公園の手前で私のお気に入りに食堂に行ったが休みだった。
仕方ない事だが「何もかも上手くいかないな‥」と思った。
他の店で食事をして国定公園に着くと‥。
「船の整備の為、臨時休業」の張り紙があった。
「マジか‥」
さすがに凹んだ。
様子を見ていたマキさんが
「マコちゃんどしたん?仕方ないよ。ウチは充分楽しんでるよ、ありがとう」
「何やっても思い通りにならない‥」
当たり前で仕方ないことなのに‥。