境界性と依存 597
週末のショッピングモールは混雑している。
場所を変えて海沿いに行った。ここは私が堕ちた時に1人でたたずむ場所。
私「そのお客さんからしつこく誘われたんか?」
マキさん「ううん、お店辞めるって言ったら完全に割り切って援助交際でって‥」
私「マキさんかわいいからそんな人は沢山いるやろうな‥。ピノ子いるのは知ってるの?」
マキさん「ううん知らない」
私「そうだろうな。マキさんはそうやって自分を堕としてしまって‥。お店辞めて「マキ」に戻るんじゃなかったんか?」
マキさん「うう‥ごめんなさい」
私は信じてはいけないと思った。
私「マキさんは大人の汚い部分を見すぎたんやな‥。でもその世界に浸かったら駄目だよ。今、変わるんだよ」
マキさんはヘッドレストに頭をもたれかけながら泣いていた。
私「もう「メグミ」は終わったよ。「マキ」に戻ろう」
マキさんはハンドルに頭を着けて
「「マキ」に戻れるかな‥?」
私「戻れるよ、今戻るんよ。帰っておいで。一緒に変わるんだよ」
マキさんは声を出して泣いた。
私は不思議と泣かなかった。
私「携帯からそんな男の記録を消しなよ」
マキさんは今日の相手にLINEでお断りの言葉を送りブロックして削除した。
マキさん「送って消したよ」
文章は私に見せなかったが削除するところは見せてくれた。